トラッキングとは、センサーを用いてVRプレイヤーの現実世界の位置情報を取得し、
VR空間内に反映させる技術のことを言います。
3種類のトラッキング対象
トラッキングでは、現実世界で動き回る対象物の位置を追いかけます。
その対象物、つまり何を追いかけるかにより3種類に分類されます。
ヘッドトラッキング

VR用のヘッドマウントディスプレイを装着すると、
頭の動きに合わせて周囲を360度見回すことが出来るようになります。
このように、頭の上下左右の向きをトラッキング(測定)することをヘッドトラッキングと言います。
ポジショントラッキング

さて、ヘッドトラッキングで周囲を360度見ることが出来るようになりました。
では、その状態で部屋の中を歩き回るとどうなるでしょうか?
実はヘッドトラッキングの機能では「頭の向き」を測定することしか出来ないため、
現実世界でプレイヤーが歩き回っても、VR空間内には反映されず、そのまま突っ立ったままとなります。
そこで、外部センサー機器を利用するなどしてプレイヤーの立ち位置を測定し、VR空間内に反映させます。
これにより、現実世界で歩き回れば、VR空間内でも歩き回れるようになります。
これを、ポジショントラッキングと言います。
アイトラッキング
現実世界で頭を一切動かさずに、目だけをキョロキョロと動かすと景色が変わりますよね。
ここまでの説明ですでに、ヘッドトラッキングで周囲を360度見ることが出来るようになりましたが、
あれは頭の動きをトラッキングしているものであり、視線の動きまではトラッキング出来ていません。
つまり、キョロキョロと目を動かしてもVR空間の景色は変わらないということです。
それを実現するのが、アイトラッキングです。
これにより、視線に追従するVRが体験できるため、よりリアルなVR体験が可能となり没入度が増します。
2つのトラッキング方式
ここまでで、測定対象により3種類のトラッキングがあることを説明してきました。
ここからは、2種類の測定方式をご紹介します。
アウトサイドイン方式
頭に装着するヘッドマウントディスプレイとは別の機器を用いてポジショントラッキングする方式をアウトサイドイン方式と言います。
具体例として、Playstation VRでは、
プレイヤーの前方に以下のカメラのようなセンサー機器を設置し、このセンサーがプレイヤーのヘッドマウントディスプレイの位置を計測することでポジショントラッキングを実現しています。


インサイドアウト方式
アウトサイドイン方式では外部機器を使わないとトラッキングが出来ませんでしたが、
外部機器を必要とせずにヘッドマウントディスプレイのみでポジショントラッキングを行う方式を、インサイドアウト方式と呼びます。
その代表格となるHMDがwindows MRです。
windowsMRでは、内蔵されているカメラを使ってトラッキングを可能にしています。